犯罪発生率の高い時間や場所から考察する自分の身を守るためにできること
ネットワークの普及やGPS機能など便利なアイテムが登場するにつれ、犯罪が多様化し、ストーカー被害などに悩まれている方も多くなってきています。最近では、痴漢とみられる男性が線路を逃げるというニュースをよく目にしますよね。企業やマンション、ご自宅などに防犯カメラや防犯灯を設置するなどの防犯対策はもちろん必要ですが、日頃自分だけでできる防犯対策も必要です。身を守るために私たちができる事はどのような事でしょうか。今回は、東京都を例にあげて犯罪が発生しやすい時間帯や場所の統計をご紹介しながら、身を守るためにできる事を考えていきましょう。
犯罪が発生しやすい時間帯
警視庁は平成28年度中に都内における性犯罪(強姦・強制わいせつ・痴漢)の発生状況をHPに掲載しています。強姦は約140件、強制わいせつは約800件、痴漢(迷惑防止条例違反)は約1,800件、発生しているそうです。この件数は、警察が把握している数なので実際にはもっとずっと多く発生しているでしょう。では、犯罪が発生している時間帯はというと、強姦は、午後10時から午前5時までに約53パーセント、強制わいせつは、午後11時から午前2時までの深夜帯に最も多く、痴漢は、午前7時から午前9時の通勤通学時間帯に約30パーセントが集中して発生しているそうです。また、13歳未満への性犯罪の発生率は下校時間帯(午後1時から午後7時まで)に約57パーセントと集中して発生しているそうです。(平成27年度中)
参照:警視庁HP http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/higai/koramu2/koramu8.html
犯罪が発生しやすい場所
続いて、犯罪が発生しやすい場所は次の通りです。
強姦は、住宅(一戸建て・中高層・その他の住宅)での発生が合計48.6パーセントと多く、次いでモーテル・ラブホテル、一般ホテル・旅館となっており、屋内で多く発生しているそうです。強制わいせつは、道路上が32.7パーセント、住宅(一戸建て・中高層・その他の住宅)での発生が24.2パーセント、電車内が16パーセントの順で発生しているそうです。迷惑防止条例違反は、52.7パーセントが電車内で発生しており、駅と合わせると約72.1パーセントが電車・駅で発生しているそうです。
参照:警視庁HP http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/higai/koramu2/koramu8.html
自分の身を守るために
日頃生活している中で危険な場所や時間帯があることがわかりましたよね。では、自分の身を守るためにできることはあるでしょうか。例えば、エレベーターの中。エレベーターは密室です。現在は多くのエレベーターに防犯カメラが設置されていますが、それでも知らない人と二人きりになってしまうのは怖いですよね。知らない人と二人きりでエレベーターに乗らないことが一番良いですが、扉が閉まる直前に乗ってきてしまった、など回避できない場合もあります。その場合は、相手に背を向けないように立ち、緊急通話ボタンがすぐ押せる場所に居ましょう。それから、怖い場合は次の階で降りて、相手が何階で降りたかを確認してから再度乗るようにしましょう。不審な場合は、自分の階と違う階で降りるようにしましょう。自宅が特定されてしまうと危険な場合があります。一人の場合、自宅の鍵を開ける時は周りに気を付けましょう。また、通勤経路や通学路では、人通りのない暗がりになる場所や公園等の危険箇所、交番やコンビニエンスストア等の何かあったら助けを求められる場所を予め確認しておきましょう。それから、人通りの少ない道や場所では、イヤホンは外して足音や物音が聞こえるように注意しましょう。
おわりに
こうして改めて考えてみると、自分の身を守るために、危険を回避するために、できることはたくさんあります。通学、通勤の際、痴漢に合わないようにする為に毎日同じ場所同じ時間の電車には乗らないようにする。防犯ブザーなどの防犯グッズをお子様に持たせる、GPS機能でお子様の通学の様子を見守る、犯罪発生率の高い遅い時間に帰宅する時は、いつもより注意して明るい道を通るようにする、家族や知人に迎えに来てもらう。などなど。何気なく生活している毎日の中にもたくさん危険が潜んでいます。一人一人がその認識をし、いつもよりも危機管理の意識を強く持ってみることで、犯罪の被害者となるのを回避できる確率があがるのではないでしょうか。「自分の身は自分で守る」意識して行動するようにしましょう。