防犯カメラについて
防犯カメラ、監視カメラの種類や特徴を種類別に説明をしています。
また、撮影した映像を録画するためにデジタルレコーダーがあります。
呼び方として、DVRや録画機、録画装置とも呼ばれています。
防犯カメラのタイプと特徴
防犯カメラは、設置する環境や使用目的に合わせて、ドームタイプやボックスタイプなど様々な種類があります。ここでは、カメラの種類ごとに特徴や用途についてご説明いたします。
ボックスカメラ
- 威圧感があるため犯罪抑止効果が高い。
- レンズを交換できるので環境に合わせた撮影が可能。
ボックスカメラは、コンビニや銀行で必ず見かけるカメラです。四角い箱型をした形状が一般的です。レンズは別売りになっているので、設置する場所に合わせてレンズを選択できるメリットがあります。ハウジングと言われる防水保護ケースに収納することで、雨のかかる屋外にも設置することができます。
街中でもよく見かけるなじみのあるカメラのため、監視されている威圧感があります。コンビニや銀行だけではなく、駅やスーパー、ショッピングモールなどでは、万引きや強盗対策として多く用いられます。
ボックスカメラはドームカメラやバレットカメラ(全天候型カメラ)と違い、ブラケット(フィクサー)と言われる取付用の金具が必要となります。
ドームカメラ
- 威圧感が少ない。
- 目立たない。
ドーム型なので目立ちにくく、レンズ部分はスモークになっているものが多く、レンズが見えないので監視されていることに気づきにくい。病院やレストラン、マンションのエントランスなど景観を重視する場所に設置されます。
最近では、IP65や66と言われる防水基準に適合した屋外用ドームカメラが普及しています。筐体はハンマーで叩いても壊れないバンダルドーム仕様となっており、手の届く天井の低い場所などに設置されます。
バレットカメラ
- ハウジング・ブラケットが一体化している。
- 屋外に低価格で設置できる。
ハウジングとブラケットが一体化しており、一般的にボックスカメラをハウジングに入れて屋外に設置するよりも低価格になり経済的です。また、サイズ的にもハウジングを設置するよりもコンパクトで設置場所を選びません。さらに、赤外線LEDを搭載したモデルが多く、夜間でも撮影が可能なため人気があります。
最近では、設置業者がコスト面でボックスタイプよりもバレットタイプを使うケースが増えています。マイナス面としては、温度変化による気圧差によりわずかな水分が内部に侵入することがあり曇りの原因となることがあります。
PTZカメラ
- カメラの向きを自由にコントロール、さらにズームができる。
- 自動で撮影位置を変えることができる。
カメラ部分がPan(上下左右)、Tilt(斜め)方向に動き、Zoom(ズーム)ができる機能を持っているカメラです。固定カメラでは配線距離が長くコストがかかる駐車場の監視など低コストで導入できます。
進化し続ける多様な防犯カメラ機能
防犯カメラは、通常使うデジタルカメラと同様に、逆光時に被写体をクリアに移す機能やズーム機能など環境に合わせて映像をクリアに撮影するための調整機能が付いています。それぞれの機能について解説します。
WDR(ワイドダイナミックレンジ)機能
防犯カメラでは、非常に重要な機能の一つです。WDR(ワイドダイナミックレンジ)機能は、被写体が逆光状態の時、暗く写った被写体を明るく補正し、明るすぎる背景を照度を落としてちょうど良い明るさに調整後、二つの映像を合成することで、被写体と背景をくっきりと撮影する機能です。マンションのエントランスなどで必要とされます。
DNR(デジタルノイズリダクション)機能
撮影した映像に発生するランダムノイズを除去して画質を良くするデジタル信号処理技術です。ランダムノイズが目立つ低照度のシーンを撮影した場合であっても、明瞭な被写体が得られます。また、デジタルノイズを除去することでデータ自体の容量を軽減することができます。
スターライト機能(超感度撮影)
鮮明な夜間映像撮影を実現したDahua独自技術「Starlight(スターライト)」従来、夜間の映像撮影するアプローチとして高感度や赤外線などの技術 がありましたが、ダーファテクノロジー独自技術「Starlight( スターライト)」は、夜間撮影の鮮明さを全く次元の違う品質に高め、従来技術を過去のものにしました。まるで昼間のような鮮明さで夜間防犯監視の質を高めています。 「ごくわずかな星明かりのような状況でも鮮明な撮影が可能」というのがスターライトの由来です。
録画機について
防犯カメラ監視システムで、防犯カメラは人で言うところの目の働きを持っていますが、見えたものを記録する脳の働きをするのが録画機(デジタルビデオレコーダー(DVR))という機材です。
一般的なHDレコーダーは、複数のカメラを同時に接続できませんが、防犯カメラシステム用は、4ch、8ch、16chと複数のカメラを同時に録画することができます。最近では、圧縮率がMPEG方式より高画質で長時間録画が可能なH.264という圧縮方式を採用するものが主流となっています。
伝送方式の違いによるメリット・デメリット
防犯カメラは主に、同軸ケーブルで接続する従来のアナログカメラとLANケーブルで接続するネットワークカメラ(IPカメラ)に分かれます。
最近では、アナログ用の同軸ケーブルに接続するメガピクセル対応のHD-SDIカメラが登場しました。
両者の違いは、カメラからレコーダーまでをアナログ信号で映像を送るのかカメラ側で映像信号を変換・圧縮してレコーダーまで送るかの違いです。
[ デジタル ] IPカメラ、ネットワークカメラの長所・短所
- カメラ側で圧縮するので、画質の劣化が少なく、メガピクセルに対応できる。
- 圧縮処理が分散することで、録画機側の負担が軽減する。
- LANケーブルを使うことで1Km以上の距離でも配線が可能となります。
- また、多くのカメラを設置する場所では、ケーブルスペースを取らない。
- 双方向通信とカメラ単体での遠隔監視が可能になります。
- カメラの設定にネットワークの知識、スキルが必要。
[ アナログ ] 同軸カメラ、CVI、HD-SDIカメラの長所・短所
- アナログと同じ同軸ケーブルを使える。
- アナログカメラのようにDVRに接続すればすぐに映る。
- 1つのケーブルで最長100mまで対応。 リピーターを使えば最長300mまで対応。
- 遠隔監視はDVRによってはハイビジョン画質で見ることができない。
- アナログカメラの6倍の面積比のため大容量のHDDが必要。
システムを構成する機器
防犯カメラ(監視カメラ)の機材構成は、下記の図のように、防犯カメラと録画機(DVRやデジタルレコーダーと呼ぶ)、映像を映し出すモニターの構成になります。モニターは専用モニターの他、薄型テレビやパソコン用の液晶モニターを使うことができます。
カメラ
防犯カメラや監視カメラ、CCDカメラなど呼び方は様々ですが、防犯カメラシステムの基本的な機材の一つです。従来のアナログカメラには、解像度が25万画素(総画素数27万画素)、38万画素(総画素数41万画素)、48万画素(総画素数51万画素)があります。より鮮明に撮影したい場合は、画素数の多いカメラを選んでください。最近では、ネットワークカメラ(LANケーブルを使って接続)やアナログカメラに使用する同軸ケーブルを使って接続できる放送用カメラの企画であるHD-SDIカメラで200万画素を超える高解像度のカメラが普及しつつあります。
また、カメラ配線も映像と電源のケーブルを別々に配線する2ケーブルタイプと同軸ケーブル一本で電源と映像を送受信するワンケーブル(重畳式)カメラがあります。長い距離を配線する場合や沢山のカメラを設置する場合にケーブルの取り回しがシンプルに行えるなどの理由で昔はワンケーブルが主流でした。
カメラの形状も、コンビニでよく見かける威嚇に優れたボックスタイプやカメラで撮影されていることを意識されにくいドーム型、雨のかかる屋外で夜間でも赤外線を使って撮影できるバレットタイプなど様々な形状のカメラが用意されています。
録画機
防犯カメラシステムに必須の機材が録画機です。カメラから来た映像信号を圧縮して録画機に内蔵されたHDD(ハードディスク)に保存します。最近では、長時間の録画を可能にしたH.264形式の圧縮が主流になっています。録画機は基本的に、4台までカメラが接続できる4チャンネルと8台まで接続可能な8チャンネル、カメラが16台まで接続可能な16チャンネルタイプが存在します。録画画質や1秒当たりの録画コマ数(調整が可能)、被写体の動きや、HDDの容量により、録画時間は大きく変わってきますが、テレビ用のHDレコーダーと違い、長時間の録画が可能です。
最近の録画機は、iPhoneなどのスマートフォンでライブ遠隔監視が行える機能を標準で搭載しているモノが多く、手軽に労務管理や自宅のライブ監視ができるようになりました。
監視用モニター
防犯カメラシステムには必須の機器です。アナログカメラには、VGA端子やHDMI端子を使って出力する製品があり、パソコン用のモニターや薄型液晶テレビを使うことができます。IPカメラやHD-SDIなどのデジタルカメラは、HDMI端子を持ったPC用モニターや薄型テレビを使用すれば、監視専用モニターの代わりに使用可能です。
監視カメラ専用のモニターは、水平解像度が細かくより綺麗にカメラの映像を表示することができますが、通常のテレビや液晶モニターと比べるかなり割高となります。
ハウジング
主に屋内用のボックスカメラを雨や埃のかかる屋外に設置するときに収納するケースとして使われます。大きさ、形状も多種あり、用途に合わせた選択が可能です。
ハウジングには特赦な用途で使う製本もあります。溶鉱炉の中を監視するために何千度という温度に耐えられるモノやマイナス数十度の環境でもカメラを守るモノまであります。
別売りのブラケットとセットで使うので、用途や設置場所に合った組み合わせでお使いください。
ブラケット
防犯カメラやハウジングを壁や天井へ取り付ける金具で、フィクサーとも言われています。長さや形は様々あり、設置場所に合わせて選択できるようになっています。
電源
防犯カメラに電源を供給するために使用します。通常はカメラごとに一番上のACアダプターで電源供給しますが、設置台数が多くなるとかさばるので、5台以上のカメラを設置する場合は集中電源を使用して、1台で複数のカメラに電源供給を行うといいでしょう。