防犯カメラが盗難防止や院内の安全対策に。病院のセキュリティを守る設備
患者さんの安全を守り、同時に盗難防止にも役立つ病院内の防犯カメラ。
街中にカメラを設置することで犯罪が抑止されるという効果は広く知られていますが、病院内の安全対策としても、防犯カメラの取り付けは効果的です。
今回は、病院内のセキュリティ対策になる、防犯カメラによる犯罪抑止効果について紹介いたします。
病院での盗難が社会問題へつながる
外部からあらゆる人の出入りがある病院は、盗難が起こりやすい場所でもあります。そんな病院での盗難事件で狙われるのは、金銭だけではありません。
病院には注射針や薬品、そして患者の病歴などが保存されているパソコンといった重要な設備が多々あります。治療器具やパソコンを盗まれるということは、単に病院側の経済損失にとどまらず、注射針や薬品が不正に流通したり、パソコンの個人情報を利用されたりといった事件にもつながりかねません。そのような重大な個人情報の流出は、病院の信頼を大きく失墜させてしまいます。
このような医療機関での犯罪のリスクは、小規模なクリニックなら安全ということはありません。むしろ小規模なクリニックでは、大病院と比較してセキュリティ対策が強固ではないにもかかわらず設備が充実しているため、穴場として狙われてしまうのです。
また施錠をしっかりしていても、病院の内部に窃盗を行う人間がいた場合、簡単に盗難が起きてしまうこともあります。向精神薬などは持ち運びやすく高額なため転売目的で狙われやすく、他にも致死性の高い薬品が狙われる恐ろしいケースもあります。防犯カメラは、施錠を容易に突破できる内部犯による盗難防止にも有効です。
防犯カメラを設置するメリット
盗難事件が起こった際の確認に防犯カメラが役立つのは当然ですが、病院内のカメラは病院のセキュリティレベルの高さを示す役割もあります。
窃盗犯は、防犯設備の甘い施設を狙います。防犯カメラを設置することで「この病院は盗難対策をしています」というアピールになるのです。
また、防犯カメラが設置されていることで、病院を利用する人に安心感を与えることができます。机や椅子の影など院内スタッフの死角になる場所を防犯カメラで見守ったり、多忙な時間帯で十分な人員を配置できないときに別室から患者さんの様子を確認したりといったことが可能になります。
防犯カメラの効果を最大限に発揮するためには
防犯カメラを設置しても、それを確認するのは人間です。カメラの設置に先立ち、院内の状態を見直すことで防犯カメラの効果を高めることができます。
適切な防犯カメラの設置には、病院設備の把握も必要です。まずは院内を、外部の人が入れる場所や内部の人しか入れない場所などにエリア分けしてみましょう。院内を分けて考えることで防犯カメラの適切な種類や設置数が把握でき、どんな備品や設備がどこに何点あるのかを把握しておけば、どこに重点的に防犯カメラを置くべきかを判断することができます。
万が一盗難が起こった場合にも、何がいくつ盗難被害にあったのかを、すぐに認識することができるよう、普段から備品の管理を徹底しておくことも大切です。
また、患者さんの立ち入り禁止のエリアを把握しておくことで、そこに院内関係者以外がいれば、すぐに不審者の可能性を疑うこともできます。
おわりに
防犯カメラを設置するだけでなく、院内のすべての人が防犯意識を高く持つことも重要です。不審人物や不審物を見つけても、報告しづらい雰囲気があるとなかなか伝えにくいものです。異変を見つけやすいだけでなく、見つけた異変を伝えやすい院内の雰囲気作りも必要でしょう。防犯カメラを上手に利用して、来院者が安心して利用できる安全対策のしっかりした院内環境へとつなげてください。