PoEについてわかりやすく解説!
2020年に開催される東京五輪へ向けて、急ピッチで施設の建設が進められていますね。そんな中、重要になってくるのはセキュリティシステムです。テロなどへの対策をしっかりとすることが重要ですが、大型の施設などは、人員の配置だけでは賄いきれない為、防犯カメラなどのセキュリティシステムの設置が必須となります。大型の施設や、大型のマンション、大型のビルなどへ防犯カメラを設置する場合、PoEという技術が必要になってきます。そこで今回は、PoEについてご紹介します。
PoEとは
PoEとは、パワー オーバー イーサネット(Power over Ethernet)の略です。「ピーオーイー」と読みます。PoEとは、LANケーブルを使用してネットワークの構築をしながら電力の供給ができる技術のことを言います。LANケーブルとは、パソコンなどの設定をされたことがあればおわかりになられるかと思います。パソコンやモデムなどとネットワークをつなぐケーブルのことです。つまり、LANケーブルを使用して、ネットワークを接続すると同時に電力にもつなげることができるのです。
PSDとPDについて
PoEには、電力を供給する機器と電力を受ける機器の2種類があります。電力を供給する機器のことをPSE(Power Sourcing Equipmentの略)と言い、PoEスイッチングハブやPoEインジェクターなどがあります。また、電力を受ける機器のことをPD(Powered Deviceの略)と言い、無線アクセスポイント、PoE受電アダプター、スイッチングハブ、IP電話機、ネットワークカメラなどがあります。このPSEとPDをLANケーブルで接続して利用するのですが、PSD、PD、LANケーブルそれぞれの規格が合っていないと作動させることができません。LANケーブルには、通信速度を表すカテゴリで分けられた種類があります。「カテゴリ5・5e・6・6a・6e・7」の種類があるのですが、PoEに使用する場合は、カテゴリ5e以上のものを使用しましょう。ケーブルをよく見てみると”CAT5E”などと書かれていると思います。それから、PoEには「IEEE802.3af」と「IEEE802.3at」という標準規格があります。これは電力供給量の違いによって、分けられます。PDには、様々なものがあり、動作に必要な電力の量が違う場合があります。よって供給する側のPSEの電力と受ける側のPDの電力が一致しなければ、十分な電力が確保できず接続することができません。「IEEE802.3at」の方が大きな電力を必要としますので、PDが「IEEE802.3at」の場合、供給するPSEが「IEEE802.3af」だと十分な電力を供給することができないので、接続することができません。このように、接続には規格が合っているかどうか注意が必要です。
PoEのメリット
では、どんな時にPoEは役立つのでしょうか。それは、コンセントの無い場所やコンセントを設置しずらい場所でも電力を供給できるということが大きなメリットとなります。コンセントの無い場所や、コンセントを設置しずらい場所は結構たくさんありますよね。例えば、天井や屋外などです。大型のビルや大型のマンションに、防犯カメラを設置する場合、防犯カメラの設置には電源の確保が必要な為、PoEが役立ちます。大型のマンションの各階に防犯カメラを設置する場合、それぞれの階に配線が必要になってしまいますよね。カメラと録画機、モニターを接続するにはどうしても長距離の接続が難しく、建物の縦に配線することは非常に難しい工事になってしまいます。そんな時、PoEを使用すると、ネットワークカメラを各階に設置することができます。PoEは、LANケーブルで接続するだけですので、配線やADアダプターの設置に悩まされることなく、工事も簡単になります。よって、大型の施設やマンションなどに防犯カメラを導入する場合は、ほとんどの場合PoEを利用し、ネットワークカメラを設置しています。
おわりに
今回は、PoEについてご紹介させていただきました。LANケーブルでネットワークも電力も供給することができるなんて、驚きの技術ですよね。最近では、オフィスの電話はIP電話という会社も多いのではないでしょうか。それもPoEの技術を利用した一例です。東京五輪へ向けてのセキュリティ面での課題はたくさんあります。施設やホテルなどに限らず、公共交通機関などにもセキュリティシステムは必要です。このような技術を活用し、安心して東京五輪が開催できる街づくりを期待しましょう。