顔認証技術という認証技術をご存じでしょうか。今年2018年のセキュリティショーでも話題になっていました。生体認証というのは、指紋や目、顔などで人を見分けることができる認証技術のことです。指紋認証はスマートフォンなどでも実施しているので皆さん身近ではないでしょうか。しかしながら、非常に画期的で便利な技術の裏には誤認逮捕やプライバシーの問題など、問題があることも事実です。そこで今回は顔認証技術とプライバシーについてご紹介します。

顔認証技術とは

監視カメラのデジタル画像から、人を自動的に識別するためのコンピュータ用アプリケーションのことです。ライブ画像内の顔と思われる部分を抜き出し、顔面画像データベースと比較することで識別を行います。（Wikipedia参照）顔のパーツの相対位置や大きさ、目や鼻やほお骨やあごの形を特徴として利用し識別します。日本での導入例を挙げると、日本の東京ディズニーランドでは、2019年春から2020年春にかけて、年間パスポートを持った来場者に顔認証システムが導入されることが昨年発表されました。年間パスのQRコードを入園口のセンサーにかざすと、登録された写真と顔とを照合してゲートが開くという仕組みになるそうです。入園ゲートに配置される人員を削減することに繋がりますし、スムーズな入園と不正防止が狙いのようです。画像の顔と思われる部分から年齢や性別などを推定する技術も開発されています。

顔認証技術の導入

顔認証技術は実際にどのような場面で導入されているでしょうか。日本ではある書店での導入が問題になりました。万引きの被害に悩んでいた書店では、防犯カメラに付随する機能として顔認証技術を導入し、万引き歴のある人物の顔を事前に登録、その人物が入店するとカメラが感知し警備や店員にアラートで知らせるというシステムを導入しました。ところが、書店には防犯カメラ作動中のお知らせのみで事前に顔認証技術を導入しカメラで撮影していることは周知していませんでした。その顔認証技術のことがニュースで取り上げられて話題になると、それに反対する意見が多数出てきたのです。許可なく顔を撮影されるというのはプライバシーの侵害だ、事前に顔を撮影することを周知するべきだ、という意見が多くあがりました。実際には全ての来店者の顔を撮影登録しているわけではありませんので、この件に関しては完全に違法ではなかったようですが、もう少し事情を周知しておく必要と、話題になった際にその映像の保管についてどのように管理しているのかを説明する必要はあったのかなと、個人的には思いました。

プライバシー

皆さんは、顔認証技術についてどう思われますか？SNSなど個人情報が簡単に流出してしまう時代ですから、抵抗のない方もいらっしゃることと思います。上記の書店の例は、あくまでも過去に犯罪歴のあった人物の顔のみを登録し感知するというシステムのようですので、そのようなシステムは犯罪の抑止にもなりますし便利なシステムなのではないでしょうか。最近では、空港でも顔認証技術を導入して指名手配犯やテロの疑いがある人物などが出国できないようにセキュリティシステムを強化しているところもあります。他には、店舗のマーケティングとして顔認証技術を導入する会社も出てきているとのこと。プライバシーの侵害だと感じるのは、その使用用途が明確でないことや個人情報の流出の恐れがあるという不安から嫌な気持ちになるのではないでしょうか。新しい技術が開発されてそれが安全に使用されるためには早急な法整備が必要になってきます。法整備がおいついてない状況で新しく認知されていない技術が利用されていて、それに自分もしらないうちに利用されていれば誰だって不安な気持ちになりますよね。

おわりに

今回は、顔認証技術とプライバシーについてご紹介させていただきました。新しく便利な技術が開発されそれが実用化されていくのは素晴らしいことですよね。映画の中の世界が現実になっていて驚くこともあります。しかしながら、そのような技術が安全に利用されるには、人の周知ときちんとした法整備が必要になります。不安を感じることなく、安全に利用できるよう早い法整備に期待したいです。