防犯カメラで不審者の顔を識別する、顔認証システムとは?
世界各地でテロが多発し、犯罪手口も多様化する現代において、欠かせない防犯アイテムといえるものが監視カメラです。技術開発に伴い機能も高度化する中、顔認証システムによって不審者や犯人の特定もできるようになっています。公共施設やデパート、ライブ会場などのセキュリティー体制に顔認証システムを導入することで得られる効果とメリットとは何でしょうか?
今回は、顔認証システムについて詳しくご説明します。
顔認証システムとは?
顔認証システムとは、あらかじめデータベースに登録された顔画像をもとに、監視カメラに映し出された映像から人物を特定するシステムのことです。開発当初は画像も粗く、認証の精度も低かったものの、技術の進歩により現在では高精度に顔の特徴を捉え、認証率も大幅に向上しました。
セキュリティー分野で顔認証システムを導入する企業や団体、施設は増えており、空港や駅などの公共施設から、一般の小売店やライブ会場、製造工場など、さまざまなところで活用されています。
顔認証システムの利用方法
万引き防止
万引き被害は各店舗にとって深刻な問題です。万引きによる商品ロスは決して小さいといえず、慢性的な被害に遭えば損失は計り知れない上、警備の人員を増やすとなれば人件費もかさみ、ますます経営を圧迫してしまいます。
顔認証システムを導入すれば、特定人物が入店するタイミングで顔を検知し、犯罪の防止することが可能です。また、顔画像をログに残す機能を使えば逮捕歴のある者や警告を与えた者を識別することもできるため、効率的な犯罪防止作といえるでしょう。
公共施設や会場における不審者の特定
不特定多数の人が出入りする公共施設や大規模会場、または小学校、中学校、高校などの教育施設は、より万全を期したセキュリティーシステムの構築が不可欠です。しかし、警備員を常駐させるにしても、マンパワーでは限界があり、不審者を確実に特定することは至難の業といえます。そのような課題をクリアする上で、顔認証システムは広範囲かつ高効率で不審者を特定でき、警備コストも削減できる技術なのです。
入退室の管理
顔認証システムは、特定施設の入場管理においても最適なソリューションの1つです。入室時に顔認証を行い、照合合致した場合のみドアを開閉して入室を許可するシステムであれば、部外者の立ち入りを未然に防げます。それと同時に、顔画像の照合システムで出退勤記録の管理にも役立てられます。
顔認証システムと個人情報
顔認証システムは大量の顔情報を蓄積して管理することから、プライバシーに関する対処法を気にされる方も多いかもしれません。
特定の個人を識別できる画像データを大量に保有し、管理することは、個人情報保護法の取り扱い対象となります。そのため、セキュリティーで顔認証システムを導入するときには、個人情報保護法にもとづいて適切に取り扱う義務が発生します。
また、プライバシー保護の観点から、個人の撮影に対しては十分配慮することも大切です。人権やプライバシー侵害にあたらないよう、関連法律に対して必要最低限の知識を備えておきましょう。
おわりに
大多数の人物の中から一部の不審者を特定する効果を発揮する顔認証システムは、駅や空港といった公共機関にとどまらず、スーパーやライブ会場、店舗など幅広いところで活用されています。顔認証システムをうまく活用することで不審者を割り出し、警備コストを抑えつつ犯罪を未然に防ぐことができます。
ただし、個人情報の取り扱いには十分に気をつけてください。不特定多数の顔画像データを管理することは、個人情報保護法の対象であり、目的外による商業利用は法的に罰せられます。社会的責任を果たす中で、顔認証システムの有効活用を目指しましょう。