家庭用防犯カメラの4K普及は現実的?
こんにちは。東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される2020年に「4K・8K放送が普及し、多くの視聴者が市販のテレビで4K・8K番組を楽しんでいる」ことなどを目標として総務省では放送政策の推進が進められています。4K対応のテレビが安価に出回り、映像については綺麗な映像というのがデフォルトになると同時に、求められる画質もどんどん高い画質が求められるようになってきましたよね。地上波だけでなく、衛星放送なども4K8K対応に向けてのプロジェクトが進んでいるようです。では、日常的にニュースなどで目にする防犯カメラの映像もどんどん画質が良くなっていて鮮明に犯人の顔が見られるようになっていますが、家庭用防犯カメラで4K映像というのは現実的でしょうか。そこで今回は、防犯カメラと4Kについてご紹介します。
フルハイビジョンと4Kはどのくらい画質が違う?
4K解像度とは、約4,000×2,000前後の画面解像度に対応した映像に対する総称です。カメラや映画などで使用されているのは、DCI 4Kと呼ばれ主に4096×2160ピクセル、テレビ放送、テレビ受像機、ディスプレイなどに使用されているのは4K UHDTVと呼ばれ3840×2160ピクセルです。画素数にするとおおよそ800万画素となります。これに対し、いわゆるフルハイビジョンと言われる解像度とは一般的に約200万画素(1920×1080ピクセル)です。つまり、フルハイビジョンと4Kを比較すると約4倍程度の画質の差があります。
防犯カメラが4Kになると影響は?
防犯カメラの画質が4Kになるとどのような影響があるのでしょうか。まず、いちばん気になるのは価格ですよね。おそらく現状のフルハイビジョン200万画素の防犯カメラの少なくとも5倍~6倍の価格になると予想されます。それから、レコーダーへの録画時間にも影響してきます。単純に計算すれば、4倍の画素数を処理する容量が必要になるので、録画できる時間も4分の1以下になるでしょう。録画できる時間が短くなると、ハードディスクの容量を大きくするか、録画した映像を保存したい場合は、その都度ハードディスクの交換が必要になってきます。その場合、コストも手間もかかってきてしまいますよね。それから、当然映像を映すモニターも4Kに対応している必要があります。戸建てのお宅などで、4K対応のテレビをお持ちでそれをモニターにする場合は問題ありませんがそれ以外に既存でお使いになられているモニターの多くは4Kに対応していませんので、対応モニターに変更する必要がございます。
ハイクビジョン社のHD-TVI 500万画素
現在世界でトップクラスのシェアを持つHIKVISION(ハイクビジョン)社。2001年に中国で設立され急成長を続け、世界シェアの10%以上を占める企業です。HIKVISION社は、この10年で、世界の100ヶ国以上で販売され、70社以上の技術パートナーと16の地域に子会社を持ち、売上高は1760億円、株式時価総額も56億ドルにまで成長し、2014年のブラジルワールドカップ会場や北京オリンピック、上海万博等の大型プロジェクトでHIKVISION社のカメラシステムが導入されているなど注目を集めています。このHIKVISION社がHD-TVIという規格の500万画素の防犯カメラを製造しているそうです。おそらくこれが現状で最も画質の良い防犯カメラではないでしょうか。
おわりに
家庭用防犯カメラの4K対応はまだあまり現実的ではないようですね。コストも5~6倍、モニターやレコーダーも同じように対応させればもっとコストがかかってしまいます。防犯カメラ映像は観賞用ではないので、フルハイビジョンの200万画素の画質でも犯人特定など、防犯に使用するには充分ですよね。フルハイビジョンのフレームレートをあげればさらに滑らかで鮮明な映像を見ることができます。ただ、犯罪の多様化、防犯意識の高まり、テクノロジーを駆使した技術開発、高画質への需要の高まりなど、500万画素や4K対応の防犯カメラが家庭用として販売されるようになるのはそう遠くない将来のことになるでしょう。