飲食店店舗のセキュリティ対策で防犯カメラを設置するときの注意事項
飲食店店舗を経営している方で、セキュリティ対策として防犯カメラの設置を検討しているオーナーは少なくないと思います。
飲食店店舗では、窃盗や強盗、従業員による横領を始めとした金銭的犯罪や食品物への異物混入など、さまざまな事件が起こりうる可能性があります。防犯カメラの設置は、それらの犯罪を未然に防ぐのに非常に効果的です。しかし、来店客が常に監視されている気分を感じてしまうような店舗になってしまっては、来店客は落ち着いて食事を楽しむことができなくなってしまいます。
そこで今回は、飲食店店舗に防犯カメラを設置するときの注意事項をご紹介します。
設置する防犯カメラは必要最低限度にとどめる
まず、飲食店店舗に防犯カメラを設置するときは、必要最低限の台数にとどめておくことが大切です。飲食店店舗は、食事を楽しむ場です。食事をしている姿を四方八方から常に監視されてしまうと、来店客は落ち着いて食事を楽しむことはできません。いくら防犯効果があるからといって、むやみやたらに防犯カメラを設置すると、客足を遠ざける可能性があります。防犯カメラは、必要な場所に必要な台数だけ設置するようにしましょう。
飲食店店舗で防犯カメラが設置される主な場所は、レジ、ホール、厨房、バックヤード、駐車場などがあります。
レジ
レジは、お会計を行う場所のため、金銭の授受が発生します。また、現金がある場所でもあるため、従業員による横領や窃盗犯が犯罪を行う場所にもなります。レジの周囲に防犯カメラを設置しておけば、これらの金銭授受のトラブルや犯罪を防止することができます。
ホール
ドリンクバーやバイキング形式の料理がある店舗では、ホールに防犯カメラを設置することで異物混入の抑止効果にもなります。また、お客さんの出入り状況、従業員の接客態度などをチェックすることも可能です。店舗運営の改善や従業員の教育にも役立てることができます。
厨房
厨房の防犯カメラは、調理の方法になにか問題はないか、従業員による悪ふざけや不正が行われていないかといったことをチェックすることができます。
バックヤード
バックヤードは、従業員の貴重品の盗難や、外部からの侵入者による窃盗などが起きる可能性のある場所のため、防犯カメラを設置する必要があります。
駐車場
駐車場の防犯カメラは、お客さんの出入り状況の確認や、車上荒らしを抑止する効果が期待できます。
防犯カメラがあることを来店客・従業員に明示する
防犯カメラを設置した場合、来店客や従業員に、防犯カメラが設置してあり、撮影していることをきちんと明示しておく必要があります。防犯カメラを設置しているのに、そのことが来店客や従業員にわかるようにしていないと、盗撮や隠し撮りと捉えられてしまう場合があります。また、防犯カメラを使用する目的も明示する必要があるため、注意しましょう。
防犯カメラで撮影したデータを適切に管理する
防犯カメラで撮影した映像や音声は、個人を特定できる情報のため、個人情報に該当します。そのため、防犯カメラで撮影したデータをいい加減な方法で管理しておくと、個人情報の漏えいにつながりかねません。顧客や従業員の住所・氏名・年齢・生年月日などの情報と同じように、その取り扱いには、細心の注意を払いましょう。防犯カメラを操作する人、監視する人、データの保存期間・場所などを防犯カメラの運用前にきちんと取り決めておくようにしましょう。
おわりに
防犯カメラの導入は、飲食店店舗のセキュリティ対策に欠かせないものになってきていますが、運用するに当たって、今回紹介したような注意事項があります。
防犯やトラブルの抑止のために導入した防犯カメラが原因となって、逆にトラブルに巻き込まれてしまわないように、防犯カメラを導入するときには、事前に防犯カメラの使用上のルールをきちんと確認しておきましょう。