進化する防犯カメラ、AIとの融合で無人店舗も可能に!
キャッシュレス決済の普及にともない、日本でも無人店舗を開設する動きが拡大しています。AIなどの最新技術を使えば、今までは考えられなかったような業種の店舗でも、無人で24時間営業をすることが可能になりました。
しかし、無人で営業する場合には、これまで以上に厳重な防犯対策が欠かせません。犯罪や不法行為に対処するためには、万が一に備えたシステム構築が必要です。この記事では、その一手段として、防犯カメラによる無人店舗の監視システムについて解説します。
防犯対策と防犯カメラシステム
不特定多数の人が出入りする無人店舗では、商品の持ち出し、売上金の盗難、設備の損壊などに備えておく必要があります。実際にはどのような防犯対策がとられているのか、最初にその仕組みを紹介しましょう。
無人店舗での防犯対策
小売店型の無人店舗では、登録された利用者を入店時に認証する方法が一般的です。支払いもキャッシュレスが基本なので、店舗側が信頼できる利用者に絞ることで、安全性を高めることができます。ただし、中には事前登録が不要で、より幅広い利用者を集客できる無人店舗もあります。
個人情報が登録されていない利用者が来店するということは、万一のトラブルにも備えなければなりません。こうした店舗では、AI技術とセンサーシステムを最大限に活用しています。
まず、商品陳列棚やセルフレジは重量センサーと連動していて、商品の移動を常にチェックしています。さらに、利用者の動きは防犯カメラで手元まで監視できるため、不自然な行動が見逃されることはありません。もしも何らかのトラブルが発生した場合には、瞬時に警備会社へと通報されます。こうしたセキュリティシステムの中核となるのは、やはり高性能な防犯カメラだと言えるでしょう。
防犯カメラの仕組み
無人店舗に設置される防犯カメラシステムは、主に店内用のドームカメラと、屋外用のパレットカメラ、そしてカメラの映像を記録するレコーダーで構成されています。また、防犯カメラのライブ映像をは、インターネット回線を通じて無人店舗管理者のもとに送ることもできます。
こうしたシステムでは、クラウドサービスと連動させることで、スマホやタブレット上で防犯カメラの映像を確認することも可能です。
ひと昔前の防犯カメラは、人の顔の識別が難しいような低画質でしたが、現在の防犯カメラは飛躍的に画質がアップしています。もはやハイビジョンでの撮影と記録は当たり前で、4Kに対応するカメラも登場しています。このレベルの画質であれば、広角で店内全体を撮影しても、それぞれの利用者が識別できるほどに鮮明です。
さらに、レンズの自由度も極めて高く、上下左右にレンズを動かして、店内をほぼ死角なしに隅々まで監視することができます。しかも高画質を保ったまま、任意の位置まで高倍率でのズーム操作も可能です。このような技術の進歩で、現代の防犯カメラは実際の警備員以上の監視能力を備えているのです。
防犯カメラの設置事例
次に、現在国内で営業している主な無人店舗と、そこで活躍する防犯カメラについて紹介しましょう。
さまざまな場面で活躍する防犯カメラ
無人店舗で最も効率化が期待されているのは、店舗面積がそれほど広くないコンビニ型の小売店でしょう。このタイプの店舗では、AI機能を備えた防犯カメラが、利用者が手にした商品まで確認しており、各種センサーと連動することで、完全に無人で店舗運営ができます。
ほかにも以下に挙げるような業種で、防犯カメラシステムを利用した無人店舗が運営されています。
・アパレルショップ
・飲食店
・古本屋
・ホテル
・スポーツジム
これらの無人店舗では、事前のメンバー登録や安全性の高い決済方法を活用し、不正利用をシャットアウトしています。しかし店舗運営の要になるのは、いずれのタイプでも防犯カメラを基軸にしたセキュリティシステムです。
具体的な無人店舗防犯の仕組み
無人店舗の実現を可能にしたのは、防犯カメラの大幅な性能アップと、AI技術の進化が融合したことにあると言えるでしょう。店舗内には規模に合わせて、1台から複数台の防犯カメラが設置されています。カメラが人目につくことは、利用者の犯罪防止にも役立っています。
防犯カメラの映像は、長時間の録画が可能なレコーダーに記録され、万が一のトラブル時には重要な証拠として活用できます。また、必要な場合には、管理者の手元からカメラを遠隔操作することもできます。AIによるセキュリティシステムと連動させることで、防犯カメラによる監視により、自動的に犯罪行為を識別することも可能です。
このように、防犯カメラを中心にしたセキュリティ対策に加えて、実際にトラブルが起こった場合には、すぐに警備会社のスタッフが対応する仕組みができていれば、安心して無人店舗を運営することができるでしょう。
まとめ
防犯カメラは、画像そのものが極めて高画質になったことと、映像とAIの技術が一体化したことで、現在飛躍的な進歩をとげています。小規模な店舗なら、1台の防犯カメラを核としたセキュリティシステムで、十分に無人での営業が可能です。
このようなシステムが登場したことにより、店舗経営の分野でも省力化の流れが加速することが考えられます。今後は小売店舗やコンビニ以外にも、さまざまな業種業態で無人店舗を設置する動きが広がるのではないでしょうか。