防犯意識が高まる昨今、町中のあらゆるところに防犯カメラが設置されています。商店街などの人が集まる場所、マンション、資材置き場、オフィスビルなど設置場所は様々です。このように防犯意識が高まる流れのきっかけにもなった「安心・安全まちづくり推進要綱」という要綱が警察庁によって定められているのをご存じでしょうか。

今回は、「安心・安全まちづくり推進要綱」とその主な改正点をご紹介いたします。

「安心・安全まちづくり推進要綱」

2000年に警察庁によって制定された「安心・安全まちづくり推進要綱」。基本的には犯罪の防止、暴力団等の排除を旨とする指標とされていました。2014年には改正が実施され、その意義目的として次のように別添で書かれています。

「安全・安心まちづくり」とは、道路、公園等の公共施設や住居の構造、設備、配置等について、犯罪防止に配慮した環境設計を行うことにより、犯罪被害に遭いにくいまちづくりを推進し、国民が安全に、安心して暮らせる地域社会とするための取組のこと。

では、どのような点が改正されたのか具体的に見ていきましょう。

主な改正点はこちらです。

（1）安全・安心まちづくりの推進に係る資機材として防犯カメラを追加しました。

（2）特に犯罪の多い地区の公共施設等において防犯カメラの設置を推進することが重要であることのほか、自治会等の地域住民が街頭に設置・管理する防犯カメラに関し警察が必要な情報提供等を行うことを追加しました。

（3）防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議の取組、近年の防犯設備の普及状況等を踏まえ、オートロックシステムが導入された共用玄関に設置されるインターホンについて通話者及び共用玄関の外側の状況を撮影・録画する機能を「共同住宅に係る防犯上の留意事項」の推奨事項に追加しました。

防犯カメラの設置が不可欠

資機材の整備等について特に「防犯灯、防犯カメラ、防犯ベル等安全・安心まちづくりの推進に必要な資機材の整備について、必要な措置を講じるよう努めること」と記載があります。

また、留意事項が通則として定められその目的としては次のようなことが書かれています。

「まちづくりにおいて重要な位置を占める道路、公園等の公共施設等の整備・管理について防犯上考慮すべき事項を示すことにより、公共施設等の新設・改修に際して犯罪抑止に配慮した環境設計を行い、国民が安全に安心して暮らせる地域社会を創出することを目的とする。」

出典：警視庁HP(安全・安心まちづくり推進要綱)

防犯システムは安全安心なまちづくりにおいて重要である

つまり、安全安心なまちづくりとして、防犯カメラ等の防犯システムを整備、強化することが非常に重要であるとともに、それが各自治体の取り組みなどにも反映されるよう努めるように。という内容が繰り返し書かれています。

「自分たちの街は自分たちで守る」という意識を持ち、各自治体も防犯パトロールの活動支援や防犯システムの強化を実施しています。その活動のより一層の強化の為には、防犯カメラ等の防犯システムを整備していくことが不可欠なのです。

おわりに

防犯カメラの設置が普及したことによって犯罪の犯人逮捕が70％もUPしたという統計も出ているようです。安全安心なまちづくりは、個人個人の取り組みだけでなく、警察や自治体、国が一丸となって取り組むべき事項で、それには防犯システムの整備が非常に重要になってくるということですね。

これから夏に向けて、夏祭りなど地域の催しが多くなってきますが、それに伴い犯罪や事件の件数も増えてしまいます。警察や各自治体、国が防犯システムの整備を強化すると同時に、私たち一人一人の目が犯罪の抑止にも繋がり、防犯活動に積極的に参加していくことが安全で安心して暮らすことのできるまちづくりに繋がっていくのではないでしょうか。