防犯カメラ設置で公衆トイレでの犯罪を未然に防ぐ!
我が国の公衆トイレは、諸外国に比べ密閉した個室空間になることや、人気のない場所にあったりすることから犯罪の温床になりやすいという特徴があります。そのため、公衆トイレを設置する際には、防犯対策が欠かせません。
しかし、公衆トイレは利用者のプライバシー保護など、デリケートな部分もあるため、防犯対策を検討する際には注意が必要です。そこで今回は、公衆トイレでの防犯対策を検討されている地方や区の自治体や事業者さまのために、公衆トイレで押さえておくべき防犯対策や防犯カメラの必要性などについて紹介します。
公衆トイレで犯罪が起こり得る状況やリスク
公衆トイレが犯罪発生リスクの高い場所といわれる背景には、以下のような要因が存在します。
不特定多数の人が利用するにも関わらず人目につきづらい
公衆トイレは不特定多数の人が利用することが前提の施設です。それにもかかわらず、公衆トイレの中は人目につきづらいスペースとなっており、利用者の安全面に対する不安は完全には払しょくできません。
そのため、特に女性や子どもは、性犯罪や盗撮などの犯罪にあうリスクがあり、公衆トイレにおける犯罪の発生が後を絶ちません。公衆トイレでの犯罪を未然に防ぐためにも、公衆トイレを設置する事業者側が利用者のリスクを把握しつつ、利用者側に対しても啓蒙する必要があるでしょう。
日本の公衆トイレは性善説に基づいた設計が多い
日本の公衆トイレ内にある個室の多くは、足先から頭の先までの大きな扉が設置されているため、外部から内部の様子を見ることが困難です。仮に、犯罪が発生することを前提に設計されていれば、このような設計にはならないでしょう。
一方、欧米など諸外国の公衆トイレは、犯罪が発生することを前提に設計されています。そのため、トイレ内の個室の扉の下部分が大きく開いており、内部の様子が外部からも見やすい点が特徴です。
したがって、夜間の利用や人通りの少ない場所にある公衆トイレは犯罪の発生リスクが高まります。加えて、古い駅のトイレなどは、防犯カメラが設置されていないケースが多く、多少人通りがあっても利用する際には注意が必要です。
公衆トイレで押さえておくべき防犯対策
公衆トイレに潜む犯罪リスクを減らすためには、以下のような防犯対策が必要です。
人通りの多い場所に設置すること
人通りの少ない場所に設置してある公衆トイレは、どうしても犯罪リスクが高くなります。そのため、できるだけ人通りが多い場所を選んで設置することによって、防犯対策にもつながるでしょう。
また、昼間は人通りが多くても、夜間になると極端に少なくなる場所もあります。夜間は人目につきづらく、犯罪発生率が高くなるため、夜間でも明るい場所を選んで設置することや、外灯などの活用も検討するべきです。
死角になる場所を作らないこと
場所によっては、男性用トイレの奥側に女性用トイレが設置されているケースがありますが、こうなると周囲から死角になりやすく犯罪発生リスクが高まります。また、窓がまったくない公衆トイレも密室状態になるため、犯罪発生リスクが高くなるでしょう。
よって、公衆トイレの設置場所はもちろん、構造上死角になる場所を作らないようにすることも重要です。外部から内部に人がいる様子が分かる程度の照度を確保するようにしましょう。
警察官や警備員などが巡回する場所が望ましい
派出所や交番の近くにある公衆トイレは、当然ながら犯罪率が低くなります。そのため、警察官や警備員などが、巡回する場所に設置すると犯罪の発生リスクを抑えることができるでしょう。
盗撮防止や有事の際への対策も必要
公衆トイレでは盗撮の被害にあわれる人もいるため、盗撮防止対策も必要です。警備員や警察官が巡回できない場所の場合は、カメラなどが設置されていないか管理者側が定期的に確認しなくてはいけません。場合によっては、専門の業者に依頼して隠しカメラなどが設置されていないか確認する必要もあるでしょう。
また、万が一犯罪が発生した際、外部に状況を知らせるための仕組みも必要です。例えば、個室内に緊急ブザーを設置するといった対策も検討しましょう。
防犯カメラの必要性と注意点
公衆トイレの防犯対策には、防犯カメラが有効です。その理由や設置する際の注意点を紹介します。
犯罪の発生を未然に防げる可能性が高くなる
多くの自治体や公園、商業施設のトイレにおける防犯対策として、防犯カメラが導入されています。公衆トイレの周辺の不審者を撮影して侵入を防いだり、犯罪への抑止力として活用したりすることで、犯罪発生率を下げる効果が期待できるでしょう。
また、前述した、
・人通りの少ない場所
・死角になりやすい場所
・警察官や警備員が巡回しない場所
に設置された公衆トイレの場合でも、24時間365日監視を続けられる点がメリットです。
防犯カメラの設置場所
まず前提として、トイレの個室内には防犯カメラを設置することができません。敷地内に設置する場合は、手洗い場や出入り口付近に設置しましょう。
ただし、防犯カメラに映った映像は個人情報に該当するため、各自治体のルールに沿った管理運用をおこなう必要があります。また、防犯カメラを設置してある事実と、その目的を利用者に明示しておきましょう。
防犯カメラの設置場所として、もっとも相応しいのは公衆トイレの外部です。公衆トイレの入り口がはっきりと映る場所に、防犯カメラを設置することが有効な防犯対策といえます。
その場合、公衆トイレの出入り口周辺など1か所だけではなく、不審者が侵入するまでの一連の動きが把握できる場所を選び、複数台の防犯カメラを設置することが望ましいでしょう。
公衆トイレの防犯カメラ設置はプロに相談するべき
公衆トイレでは利用者のプライバシーもあるため、防犯カメラを設置する場合には細心の注意を払う必要があります。また、自治体ごとにルールが異なるため、きちんと理解した上で設置することが大切です。
そのため、公衆トイレに防犯カメラを設置する場合は、専門の業者に相談することがおすすめです。利用者ならびに事業者さまの安全を守るためにも、防犯カメラの設置を検討する際にはプロに任せてみてはいかがでしょうか。