防犯カメラを設置して地域の治安を守る、自治会や商店街への補助金について
平成26年に、警察庁が「安全・安心まちづくり推進要綱」の改正を行いました。
この改正で、安全・安心なまちづくりを目指す上では、防犯カメラが有効であること、犯罪の多い地区の公共施設などには防犯カメラの設置を推進することが重要であること、各地域の自治会や商店街が設置・管理している防犯カメラに関して、必要であれば、警察が情報を提供することなどが追記されました。
これを受けていくつかの都道府県や市町村区では、自治会や商店街が防犯カメラを導入する際に、補助金を出す制度を開始しました。今回は、防犯カメラの補助金制度についてご紹介します。
安全・安心まちづくり推進要綱とは
安全な街作りのために、防犯カメラの導入を推進している「安全・安心まちづくり推進要綱」。
これは警察庁が「道路、公園などの公共施設や住居の構造、設備、配置などについて、犯罪防止に配慮した環境設計を行うことにより、犯罪被害に遭いにくいまちづくりを推進し、もって、国民が安全に、安心して暮らせる地域社会とするため」に定めた要綱のことで、法律ではありません。つまり犯罪のない街を作り、みんなが安心して暮らせる社会にするには、どういう取組をすると効果的か、ということをまとめたものです。
防犯カメラ設置の補助金制度について
自治会や商店街が防犯カメラを設置する際に、都道府県や市区町村から補助金が出る制度ですが、これはそれぞれの都道府県や市区町村によってさまざまな形態のものがあります。
支給される金額や条件もそれぞれ異なるため、この制度を利用して防犯カメラの設置を考えている自治会や商店街の方は、自分達の地域の防犯カメラ補助金制度が、どのようになっているか十分調べておく必要があります。
今回は、例として、文京区、三鷹市、相模原市の補助金制度を紹介します。
文京区
文京区では、「地域活動団体(町会やPTA、自主防犯ボランティア団体など)の申請があれば、安全・安心まちづくりに関する活動に必要な費用に対して助成」を行ってくれる制度があります。
防犯カメラ以外にも、防犯パトロールを行う際に必要になる備品や、落書きを消去するために必要な備品の購入などに関する経費を補助してくれます。
防犯カメラに関しては、補助率は6分の5以内、補助限度額は単独事業の場合は500万円、連帯事業は750万円となっています。支給の条件に関しては、細かい規定があるため、区のホームページを確認しましょう。
三鷹市
三鷹市では、「安全で安心して暮らせるまちづくりの実現に向けて、町会や商店会などが地域で防犯カメラなどを設置する際に必要な費用の1部を補助」してくれる制度があります。
補助の対象者は、「町会、自治会、商店会などの地域団体」、「地域で防犯に関する見守り活動を月1回以上、継続して行うことができる団体」、「商店会のみからなる団体が行う事業ではないこと」と定められています。防犯カメラや防犯灯などに関わる経費を補助してくれます。補助率、補助額は文京区と同じで、6分の5以内、補助限度額は単独事業の場合は500万円、連帯事業は750万円となっています。
相模原市
相模原市では、「商店街自らが商店街の賑わいの創出や利便性の向上を図るために行うさまざまな取組に対して助成」してくれる制度があります。さまざまな補助金がありますが、防犯カメラに関する補助金は、「商店街施設整備事業補助金」というものです。商店街の環境整備に関する補助金で、防犯カメラは最高で500万円の補助金が出ます。補助率は30%です。
おわりに
地域での防犯カメラ設置には、やはり費用が掛かるため、補助金の存在はとても助かります。街の安全のために防犯カメラを設置したいが、費用の問題で実行に移せないでいた自治会や商店街の方は、自分の所属している都道府県や市区町村で、防犯カメラの設置に関する補助金制度が設けられていないか、一度確認してみることをおすすめします。
防犯カメラを設置して、安心・安全の街を作りましょう。