犯罪と明るさについて
夜間の一人歩きは危ないですよね。それは、一般的には人通りが少なくなるので目撃される可能性が少なくなる時間帯に犯罪が発生する確率が高いからです。ということは、犯罪者心理や実際の犯罪の発生には明るさが関係ありそうですよね。そこで今回は、犯罪と明るさについてご紹介します。
犯罪と明るさについて
街頭犯罪は夜間に発生することが多いです。道路上や駐車場、駐輪場、公園などの公共空間で多発しています。夜間は人通りが少なくなりますので、目撃者が減りますし、助けを呼んでも届かなかったり、犯罪者が物陰や木や茂みなどに隠れて潜んでいても気づきずらいということもあります。犯罪者からしてみるとそういう環境が都合が良いと思い深夜に犯行に及ぼうとするのは当然の心理ですよね。逆に、夜間でも明るさを確保し暗闇をなくすことが防犯対策として有効であると考えられます。危険性が高まることがわかっていても、夜間に外を歩かなければならない事情がある人もいるでしょう。そういう人たちも暗い道や公園などは不安に感じることがあるでしょう。公共空間の明るさや見通しを確保することでそういった不安は解消されますし、犯罪の抑止にも繋がります。
照度に関する基準について
警視庁が制定している「安全・安心まちづくり推進要綱」というのをご存じですか?各都道府県警察に対して都道府県及び市町村の安全・安心まちづくりに係る取り組みを推進を求めています。本要綱に防犯のための照度(明るさ)について明記されていますのでご紹介します。基準1⇒道路や公園等の公共施設の場合、「4メートル先の人の行動を視認できる程度以上」の照度(3ルクス)を確保できるよう防犯灯や街路灯の配置を考慮しましょう。基準2⇒共同住宅の共用玄関や共用出入口などでは、10メートル先の人の顔、行動が識別でき、誰であるかわかる程度以上の照度(20ルクス)を確保できるよう考慮しましょう。基準3⇒共同住宅の共同部分などでは、10メートル先の人の顔、行動が明確に識別でき誰であるか明確にわかる程度以上の照度(50ルクス)を確保できるよう考慮しましょう。照度の目安としては、 公園・路地等の街灯では約1~5ルクス、 屋内の非常階段では約30~70ルクス、一般事務所の蛍光灯下の室内では約300~800ルクス程度となります。
センサーライトや赤外線機能付き防犯カメラ
暗い場所での防犯対策としては、センサーライトや赤外線機能付き防犯カメラ、高感度カメラなどを設置すること、街路灯を設置することなどが有効です。防犯カメラには真っ暗な場所でも撮影が可能な赤外線カメラと、少しの光があれば撮影可能な高感度カメラがあります。それぞれの場所の環境に合った防犯カメラを選ぶことが効果的な防犯には大切です。そして、「防犯カメラ作動中」という警告表示をすることによって、さらに効果的になります。防犯カメラの撮影可能な最低照度については機種によっても違ってきますが、最近ではごくわずかな光(~0.00001ルクス)でカラーで撮影が可能である非常に高感度なカメラが販売されています。それから、センサーライトなどを併用し人感センサーで明かりが点くととても目立ちますので、防犯対策として非常に効果的です。
おわりに
今回は、犯罪と明るさについてご紹介させていただきました。道路や商店街、公共の施設などに防犯灯や防犯カメラを設置する際に、自治体から助成金が助成されるところも多いです。各自治体のホームページに記載がありますので、ご覧になってみてくださいね。なるべく夜間に一人で暗い道を通らない、町内で見回りを実施するなど、一人一人の心がけと、街全体の取り組みが安全なまちづくりに繋がっていきますね。