痴漢防止策やテロ対策として効果発揮!電車車内への防犯カメラの設置
今年の6月、JR東日本は、2020年までに山手線の全車両に防犯カメラを設置すると発表しました。5月に本格導入が始まった新型車両「E235系」が対象となるそうです。18年度から順次取り付けるとのことで、痴漢などの迷惑行為の防止のほか3年後の東京五輪を見据えたテロ対策にも役立てるようです。痴漢の容疑者とみられる人が線路に飛び降り、線路を使って逃げるというニュースが話題になりましたが、電車内での迷惑行為は後を絶ちません。そこで今回は、電車車内への防犯カメラの設置についてご紹介します。
山手線の事例
今年の6月、JR東日本は、2020年までに山手線の全車両に防犯カメラを設置すると発表しました。5月に本格導入が始まった新型車両「E235系」が対象となるそうです。防犯カメラは各車両に4台設置。ドアの上にある運行情報などを表示するディスプレーの横に埋め込むそうです。総事業費は約20億円で、2020年までに全50編成550両への設置を完了する予定とのことです。電車が運行している間は常時録画し、映像の保存期間は1週間ほどで、古いデータを上書きして更新します。乗客のプライバシーに配慮し、映像の閲覧者は一部に限定するなどして厳正に管理するとのことです。乗客にカメラが作動中であることを知らせるステッカーも掲示するそうです。
痴漢など迷惑行為の件数と車内への防犯カメラ導入による抑止効果
警察庁によると、2015年に全国で検挙された痴漢は約3200件で前年より230件ほど減少しました。被害件数は減少傾向ですが、月平均は260件以上で、実際は被害者が被害届を出さなかったり、泣き寝入りしてしまう件もかなり多いとされています。その犯罪の性質上、被害にあった女性はどうしても言い出しずらいということがあります。警察に加害者を突き出しても、警察の事情聴取の際に、口にするのも嫌なことを何度も警察官に詳細に話さなければなりません。また、証拠がなければ、加害者が認めなければ逮捕してもらえない事も多いのが現状です。電車の車内に防犯カメラを設置することで、証拠を記録することができるので、痴漢の抑止には効果がありそうです。それから、証拠があるので、被害に遭われた方が泣き寝入りしてしまうことが少なくなればいいですよね。まずは山手線の導入効果に期待したいところですが、日本では、朝の通勤ラッシュとその時間帯の痴漢や迷惑行為はどこの鉄道会社も対策に頭を悩ませています。防犯カメラを車内に導入することで、痴漢をはじめとする迷惑行為が一刻も早く減少し、全国で効果的な対策が取られることを願います。
テロ対策
電車内でのテロと言えば、地下鉄サリン事件を思い浮かべる方が少なくないでしょう。毎日通勤や通学で利用している電車の車内でテロが起こることなど、想像もしていなかったのでとてもショックな事件でした。ロンドンやスペインなどでも過去に電車がテロリストに狙われた事件があります。駅でのごみ箱を無くしたり、不審物や不審者に気付いた時はすぐに通報するように呼び掛けたり対策は行っていますがそれでもまだまだ不十分です。電車車内へ防犯カメラを設置することにより、テロなどの犯罪に対する抑止効果となり、異変や不審者にも気づくことができるようになれば少しでも安心して電車を利用することができますね。
おわりに
今回は、電車車内への防犯カメラの設置についてご紹介させていただきました。今年は、痴漢加害者となった人の冤罪や、線路をつかって逃げてしまった事件など、痴漢の事件が話題になったことが多かったように思います。それから、凄惨なテロが発生してしまったことも記憶に新しいです。私たちが毎日、安全に安心して暮らせるよう、防犯対策の開発と導入が急務です。