前回、ネットワークカメラについて解説させていただきましたがいかがでしたでしょうか？ネットワークカメラというのはどのような物かお解りいただけたかと思います。では、どのような環境であればネットワークカメラの特性が活かされ効果的に設置できるのでしょうか。家庭用？商業用？そこで今回はネットワークカメラ第2弾として、ネットワークカメラのメリットとデメリットを解説させていただきます。

ネットワークカメラのメリット

①LANケーブルだけでデータ送信と電源供給ができるのでLANケーブル1本で済みます。（ただしアナログ（同軸ケーブルを使う）システムでも電源重畳ユニットを使うと同様にケーブル1本で済む場合があります。）
②長距離配線の場合、同軸ケーブルよりも軽いため工事が容易です。これは工事業者にとってのメリットですが、お客様にとっても工事が簡単に済むのであれば、工期の時間が短くなる、難しい工事に比べると工事費用が抑えられる、などのメリットとなります。
③マンションや商業ビルの各階にカメラを設置して、管理事務所のレコーダーに接続する場合、ネットワークカメラの場合は、各階にPoEハブを置いてLANケーブル経由でカメラと接続し、縦配線（各階へ振り分ける配線）はLANケーブル1本でレコーダーに繋げるので、配線が容易にできます。これがアナログカメラの場合には、カメラ1台につき1本のケーブルが必要になり、縦の配線スペースを取ってしまうため配線できない場合がございます。また工事の手間もかかります。その為、新しく建設される大型マンションやビル、商業施設には、ネットワークカメラを導入していることがほとんどです。アナログカメラは戸建てや小規模な施設、既設アナログカメラの交換や低コストで導入したいところに限定されます。
④カメラとの接続台数が、アナログカメラよりも多いレコーダーがあるため録画システムを集約できます。例えば、弊社で一番人気のあるメーカーDahuaのレコーダーだと最大128台までつながるレコーダーがあります。アナログの場合は、32台までです。一般的なメーカーは16台が最大です。

ネットワークカメラのデメリット

①アナログカメラの場合は、レコーダーにカメラを繋げば画面が出ますが、ネットワークカメラの場合はカメラのデータ転送量の計算が必要となり、設定がアナログに比べて難しくなります。そのためネットワークに弱い業者などは使いたがらないようです。
②これはデメリットとしては大きいですが、価格がアナログカメラに比べ割高となります。それでも利便性を考えると納得ではないでしょうか。
③カメラ側で画像データを圧縮して送信するために、ライブ映像に数秒の遅延が起こります。

ではネットワークカメラは家庭用としては不向きなの？

では、ネットワークカメラは家庭用としては不向きなのでしょうか？答えは「いいえ」です。メリットの中でも挙げたように、大型の施設や建物に設置しやすいということは、当然家庭用としても設置しやすく利便性が高いカメラです。家庭に設置しても、外出先からご自宅の様子をご覧になることができ操作が可能ですし、配線が簡単で済むというのは非常にメリットとなります。ただ、ネットワークを介しているというリスクがありますので、設定は専門家の元で行う、パスワードの管理をしっかりとすること、が安全に使用していただくためには重要です。

おわりに

いかがでしたでしょうか。2回に亘ってネットワークカメラについて解説させていただきました。利便性が高ければコストが上がったり、その分リスクもあるというのは世の常ですよね。もちろん、アナログカメラにも防犯カメラとして非常に優秀な機種がどんどん開発され販売されています。防犯カメラの設置を検討しているが、アナログカメラにすればいいのかネットワークカメラにすればいいのか、はたまた何台設置するべきでしょうか。など、毎日多くのお問合せをいただきます。防犯設備士などの専門家は、多くの設置事例や毎日のお客様との対話の中で、状況に合った最適な防犯システムのご提案が可能です。防犯カメラ設置の際には、専門家にご相談いただくことをオススメ致します。