通学路に安心と安全を。子どもを守る街中や商店街の防犯カメラの設置場所

近年、通学途中の子どもを襲う痛ましい事件が絶えません。保護者による子どもの登下校の見守りや集団下校など、さまざまな対策は採られていますが、それでもなお発生する事故や事件に対応するためには、防犯カメラの設置が効果的だといえるでしょう。

東京都では2014年度から、都内すべての公立小学校の通学路に防犯カメラを設置する事業に取り組み始めました。その事業費用は24億7千万円で、2018年度までに6,500台を設置することが目標です。

それでは、防犯カメラはどこに置くとより効果的なのでしょうか？ここでは、子どもの安全を守るために適した防犯カメラの設置場所をご紹介します。

設置場所を決める際のポイント

子どもの通う通学路の安全のために、街中や商店街に防犯カメラを設置する場合、その設置場所を決めるには以下の4つのポイントに気を付けましょう。

1.通学するすべての子どもが、いずれかの防犯カメラに必ず映る場所であること。

2.商店街などが設置している他の防犯カメラの設置場所情報と合わせて、効果的に運用できる場所であること。

3.人の目が届かない場所、過去に犯罪があった場所など、設置する必要性がある場所であること。

4.画像に個人の敷地などが映り込む場合は、所有者の承認を得られる場所であること。

防犯カメラを実際に設置するまでには、警察からの防犯面でのアドバイスや情報提供などを受けて、地域住民と学校、警察が連携して運用していくことが大切です。また、設置場所や運用方法については必ず保護者や近隣住民に説明し、理解と承認を得てからの運用が望ましいでしょう。

防犯カメラの役割

子どもを守る防犯カメラは、監視カメラではありません。モニタリングを行って監視するのではなく、「防犯カメラ作動中」などの警告を掲げてその存在をアピールすることで子どもや住民に安心感を与えると同時に、犯罪を抑止する目的で設置するものです。記録データは一定期間後には削除（上書き）され、警察などの要請なしでは閲覧することはできません。

したがって、設置場所も撮影していることが犯罪者とその予備軍に分かるようにすることが重要です。

街中の防犯カメラへの賛否

自宅敷地内とは異なり、街中や道路には個人が勝手に防犯カメラを設置することはできず、警察や市町村区などの地方自治体か、地域住民や商店街の自治会などのみが設置することができます。

中には、街中に防犯カメラを設置することに対して「個人のプライバシーの侵害になるのではないか」「犯罪防止効果があるのか疑わしい」「防犯カメラを設置することで逆に心のゆるみが発生するのでは」などの声もあるかもしれません。

しかし、プライバシーに関しては各自治体内での基準に基づいて適切な運用を行うことにより、多くの住民が「プライバシーも大切だが、子どもの安全、防犯を重視すべき」という考え方を持っていることがアンケートなどにより明らかになっています。

防犯カメラの設置によってすべての犯罪をなくすことはできませんが、犯罪発生率が若干でも減少することは、さまざまな調査によって認められている事実です。また、多くの自治体が、防犯カメラはあくまでも学校や地域が治安を守る活動を補完するものとして設置しているため、防犯カメラだけに頼らないようにしましょう。